ベンチャーキャピタルのSkyland Ventures(以下SV)は、TONエコシステム初のコンシューマーレイヤーとなる「DuckChain」の資金調達ラウンドに参加したことを発表しました。
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DuckChainは、TONScale LabsとArbitrumによってサポートされる革新的なプロトコルです。Telegramの数十億ユーザーをオンチェーンへと導くことを目指しており、テストネットではすでに総トランザクション数1,000万件以上、Apple Payユーザー10万人以上、NFTのミント数50万件以上という実績を達成しています。
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DuckChainの特徴は、TelegramのStar決済システムと、開発者に提供されるEVM互換のインフラストラクチャーです。これにより、ユーザーはTelegramプラットフォーム上でEVM互換のブロックチェーンに接続することが可能となり、開発者はSolidityなどの馴染みのある開発環境でアプリケーションを構築できます。現在、支援を提供するパートナーは20以上になっています。
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さらに、DuckChainはArbitrum DAOの提案で承認を得て、初めてArbitrumによってサポートされるコンシューマーレイヤーとなりました。ArbitrumのテクノロジーとエコシステムをTONネットワークに導入することが可能となり、両プラットフォーム間のシームレスな体験が実現します。
TONエコシステムは近年、急速な発展を遂げています。NotcoinやTON、DOGS、Hamster Kombat、Citizenなど、多くのプロジェクトがBinanceに上場。特にHamster Kombatは3億人以上のユーザーを獲得し、Citizenは3,400万人のユーザーベースを持っています。
一方で、TONには開発言語であるFiftやFunC、Tactの技術的障壁の高さや、限られた流動性(TVL約7億ドル)という課題もあります。DuckChainは、EVMエコシステムとの接続を通して、これらの課題に革新的なソリューションを提供します。
DuckChainは現在、「Star Season」テストネットキャンペーンを開催しています。本キャンペーンでは、ユーザーがワンクリックでウォレットを作成し、Telegram Starをガス代として使用してオンチェーンで取引できます。
今回出資したSVのGeneral Partner and CSOである袁小航氏は、「TONエコシステムの発展において、ユーザビリティとアクセシビリティの向上は重要な課題です。DuckChainは、EVMとの互換性とTelegramのスター決済統合により、この課題に革新的なソリューションを提供します」とコメントしています。
また、SVのHead of Crypto InvestmentsであるYonkuro氏は、「DuckChainのソリューションは、TONとETH/BTCエコシステムを統合し、1つのWeb3エコシステムとしての成長を促すことになるでしょう。私たちは、日本市場のサポートを通じて、その成長を支援していきます」と述べました。
SVは今回の投資を通じて、TONエコシステムの発展とWeb3技術の普及に貢献していくことを目指しています。DuckChainの今後の展開に注目が集まります。