シンガポールでブロックチェーンゲームプラットフォーム「PlayMining」を運営するDigital Entertainment Asset(DEA)と、東京電力パワーグリッド、Greenway Grid Globalの3社が提携し、『ぼくとわたしの電柱合戦~電柱ガールと鉄塔ボーイ』を2024年初頭にテストバージョンを提供することを明らかにしました。
東電管内には約600万の電柱があるということですが、インフラの老朽化やメンテナンス人材の不足が課題となっているそうです。『ぼくとわたしの電柱合戦』は電柱を撮影することで位置情報と連動した電柱のNFTを手に入れ、それを使って陣取り合戦を楽しむというゲーム。東電としては、この撮影情報を活用することで、メンテナンスが必要な電柱の早期発見に繋げたい考えです。
このプロジェクトは東電グループで配送電事業を行う東電パワーグリッドと、同社と中部電力などがシンガポールで設立したGreenway Grid Global(GGG)、そしてブロックチェーンゲームのDEAがタッグを組んだプロジェクトです。GGGは既に「Growth Rings Project」と題して、年輪のように成長するWeb3プロジェクトを手掛けたいとして、電柱や鉄塔をテーマにした「電力アセットNFT」をリリースしています。
異色の取り組みについて東電パワーグリッドの平田直人氏は「電力事業は地域の皆さんの理解あってこその事業です。この取り組みによって、電力設備をより身近に魅力的に感じてもらったり、皆さんがゲームを遊んだ記録から、設備不良を早期に発見できれば、地域の皆さんにも還元できると期待しています」と述べました。
DEAの共同創業者でCo-CEOの山田耕三氏は「Web3は世界的には失望もあり、規制が強まっています。ただ、日本では政府の理解もあり、まだ頑張れば前に進める状況です。『ぼくとわたしの電柱合戦』のような取り組みが規制当局にも理解され、規制が緩和されれば、まさに日本が世界をリードするための重要なピースになり得ます」と期待を込めました。
記者発表に出席した経済産業省の大臣官房 Web3.0政策推進室 課長補佐の板垣和夏氏も「政府としてWeb3を推進する中でも、ポンジスキームのゲームばかりでは推進力に成り得ません。このようなユースケース、持続可能で、人手不足やインフラ老朽化といった日本全体の社会課題を解決するような取り組みが出てくる事は、行政がWeb3を推進するにはとても大事です」と応えました。
「東電社内も震撼した」という異色のゲームですが、まだゲームは開発中で詳細は明らかにされませんでした。ゲームを遊びながら社会課題を解決するというアプローチは非常に興味深く、今後の情報をウォッチしたいと思います。