ゲームクリエイターで『ロックマン』や『鬼武者』シリーズなどで知られる稲船敬二氏と、『鉄拳』や『トバル』などを手掛けた石井精一氏がブロックチェーンゲームの開発に着手したことが明らかになりました。元マーベラスでオンラインゲームや海外事業に携わった西岡達也氏が東京とシンガポールで立ち上げたMinnapadがこれらのプロジェクトを支援します。
日本語の「みんな」から名付けられたという「Minnapad」は、日本の著名なゲームクリエイターにアクセスできる「Create-to-Earn」のDAOローンパッドと、NFTマーケットプレイスを標榜していて、日本のゲームクリエイターが中心となったDAO型組織を作り、ユーザーと共に、新しいゲームIPを作り出していく事を目指しています。その第一弾のクリエイターが稲船氏と石井氏となります。
稲船敬二氏の『BEASTROID』は多面的に展開される新IP
カプコンに長年務め伝説のゲームクリエイターとして知られる稲船氏は『BEASTROID』という新たなIPをゲーム、コミック、アニメ、フィジカル媒体、NFTコレクションとして展開する予定。作品は、人類の生き残りを賭けた戦いを描いたもので、機械化された動物たちが安住の地(パラダイス)を目指す人類の希望となる、という物語だということです。まずはDAOのメンバーに対して初期コレクションNFTのプレセールが近い将来行われるということです。
稲船氏は「Minnapadは多くの人のパワーを集結させて新しいコンテンツを生み出すという新しい取り組みです。『BEASTROID』に息を吹き込むには最適なプラットフォームといえるでしょう。これは単なるゲームではありませんが、DAOのメンバーと様々な形で制作を進めていければと思います。また『BEASTROID』に加えて、もっと多くのIPをこのDAOから生み出していければと考えています」とコメントしています。

格闘ゲームのプロ、石井氏が手掛けるブロックチェーンの格闘ゲーム
『鉄拳』と『バーチャファイター』という二大格闘ゲームを手掛け、後にドリームファクトリーを起業し『トバル』などの作品を手掛けた石井精一氏が手掛けるのは新たな『ブレインファイター』(Brain Fighter)という格闘ゲームです。人の脳波で操作する小型ロボット「ブレインファイター」が流行している世界で、この世界の主人公となり、タッグを組んで他のプレイヤーと戦い、勝利を目指します。
石井氏は「同じ志を持つ仲間とコラボレーションし、もう一度一緒にゲームを作るプロセスを楽しみたいと切望していました。Web3やDAOの登場で、今までとは異なる形でプロジェクトに参加できる可能性にワクワクしました。私が思い描いている『ブレインファイター』というIPは、私一人では絶対に実現できないものなので、Minnapadの『みんなさん』と一緒に新しい技術を使った特別なIPを作りたいと思っています」と述べています。

どちらのゲームは2023年第2四半期(4-6月)に登場予定だということですので、あともう少しです。
Minnapad(ミンナパッド)とは何か?
今回の発表主体となっているMinnapadは「create-to-earn DAO launchpad and NFT marketplace that provides access to renowned Japanese creators」と説明されています。create-to-earnは「作って稼ぐ」と訳して良いかと思います。誰もがDAOのメンバーとなってゲーム作りに参加、その成果を得られるという世界観でしょうか。また、「launchpad」は初期投資家を集める発射台のような役割があり、NFTの最初のセールを行う場としても考えられます。
CEOの西岡氏はLinkedinのプロフィールによれば、AQインタラクティブで『ブラウザ三国志』などを手掛けた後、マーベラスとの合併後は海外事業を統括していたということです。
西岡氏は「Minnapadは日本の著名なIPをWeb3に導入することを最初の目標としています。Minnapadの幕開けに稲船氏と石井氏ほど相応しい人はいません。稲船氏とは2011年にマーベラスで一緒に仕事をし、石井氏とは『鉄拳』でご一緒した共通の友人から紹介を受けました。Minnapadのコミュニティと一緒に、素晴らしい新規IPを作っていくことができると確信しています」と述べています。
他にも様々なDAOが立ち上がる予定だということで、とても楽しみです。